メイドさん

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※短い


「ただいまーっ!」
「おかえりなさい、天馬くん」


帰ってきた俺を二番目に(一番はサスケ)迎えてくれるのは、私服にエプロンをつけた格好の轟真夜さん。

俺の五つ年上で、この木枯らし荘で働いているお姉さんだ。


「学校、お疲れ様でした。後程洗濯物を頂きに参りますね」
「あっ、いいよ!持っていく!それよりさ、今日も話し相手になってよ!」
「畏まりました。それでは、リビングでお待ちしております」


にっこりと無邪気に笑う真夜さんに、自然と心拍数が上がっていく。


住み込みハウスメイド(という肩書きがお気に入りらしい)である彼女は何をやらせても完璧。

文武両道で才色兼備、しかも優しくて取っ付きやすいから木枯らし荘内に留まらずご近所さんからも評判が良い。

おまけに絵に描いたような美人ときたら、もう凄い人としか言い様がない。


「私は私は〜はうっすめいど〜ふっふふーんふんふんっ♪」


かと思えばかなりの天然キャラで、こうして時々俺たちの笑いのツボを突いてくる。

本人はそんなつもりはないらしいが、まあそんなところも凄く可愛い。


俺はまだ真夜さんとは知り合って間もないが、彼女のことが大好きだ。

それも人としてとか友達としてとかじゃなくて、一人の女の人として。


俺は雷門中に入って、たくさん苦しいことや辛いことを経験した。

何度諦めようと思ったかも分からない。


けれどその度に真夜さんはずっと傍にいてくれて、長いときは一晩中付き合ってくれていたこともあった。


俺は何も言わないのに、何故か彼女はいつも俺が辛いと感じているときを見破って、何も聞かずに頭を撫でてくれる。


それが不思議で仕方なかったけど、それ以上に嬉しかったし、何より安心した。


泣きたいときに、甘えたいときに、誰よりも近くにいてくれた人。


真夜さんがいなければきっと俺は、どこかで挫けていたと思う。

だから俺にとって真夜さんは、とても大切で、大好きな人なんだ。


「真夜さん!」


洗濯物を洗濯機に突っ込んでから、彼女のいる居間へと駆け足。

今日も聞いてもらいたいことが、たくさんあるんだ。




 

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