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□舌禍は身を滅ぼす
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三浄



きっかけは、些細な事だった。


「三蔵ってコスプレとか、マニアックなの好きそうだよなー」
とある宿。
悟浄、八戒、悟空の三人は麻雀をしていた。
ジープが疲れきってしまった為に、しばらく街から動けなくなった―――――のだが、近くに娯楽施設は何もなく、やる事と言えば酒か麻雀。しかし三日目ともなると流石に飽きてきて、今は条件反射で手を動かしているだ。
ちなみに三蔵は『しばらく牌と雀卓は見たくねぇ』と吐き捨て、煙草を調達しに行っている。
暇で暇で仕方ない二人は悟浄の話に乗った。
「あー…ぽいですね」
「メイドとかよりミニスカポリスとかが好きそう」
「バニーとかなぁ」
「マニアックですか…ナースと見せかけて患者服!」
八戒が掛け声の代わりに叫びながら牌を切る。
当然、悟浄と悟空もノる。
「ネコ耳と見せかけてクマ耳!」
「婦警と見せかけて刑事!」
「ふっ、甘いですね…レースクイーン!!」
カッと目を見開いて八戒が出したのは清一色。
悟浄と悟空は微妙な気持ちになった。
「…………………」
「それさぁ、言いながら出されると……ハイレグの水着着たアイツが」
「悟空、吐き気がするので、それ以上は禁止です…!」
本当に吐きそうな顔で黙る八戒。
((レースクイーンの………))
うっかり具体的に想像した悟空と悟浄も気持ち悪くなってきた。
「…………………」
「……………………」
「…………………………片付けっか」
三人は瞬速で雀卓と牌を片付け始めた。
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