アマガミ!!

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その人は、嵐と共に現れた



「アタシは霧隠シュラ。上一級祓魔師で、この塾の講師もしてる」


今回の試験の監察官だ、という女性はホットパンツにビキニ姿という何とも眼のやり場に困る格好だ。

そんな気は無くても、つい目が行くのはそのナイスバディ


「編入した3年の東宮リオです。ご迷惑をお掛けすると思いますが、ご指導の程よろしくお願いいたします」


きっちりと指を揃えてお辞儀をした美少女に
シュラはぱちぱち、と瞳を瞬かせた


「?あの?」

「い〜や〜。アレの妹分だって聞かされてたから、どんなのが来るだろうと思ってたんだけどにゃ〜」


礼儀正しい良い子でびっくりした!!
というシュラの声は、もはやリオの耳に届いてなどいない。


「い、従兄弟をご存知、で・・・?」

「アタシの直属の上司なんだよ」


ピシリ、と引き攣った笑顔のままで凍りついていたリオは次の瞬間
ガクン、とその場に膝から崩れ落ち---


「お、おいどうした!?」

「も・・・」

「も?」



「申し訳ありませんんんんんんんん!!」



盛大に謝罪した。



「あの従兄弟がご迷惑を掛けているのでしょう!?あんなのの部下だなんて・・・!!」


土下座しそうな勢いの彼女の瞳には、すでに涙が浮かんでいる


「昔から人の話は聞かないし聞いても自分の都合よく解釈するし自意識過剰だし、前回会った時は何故か腹話術とか始めだして・・・・!!」


リオの言う‘腹話術’に身に覚えがあるシュラは「ぶはッ!!」と大げさに噴出した。


「にゃはははは!!面白いなお前!!リオっていったっけ?」

「は、はい」

「んふー、素直な子は好きだにゃー」

「はぁ・・・」


にやにやと微笑みながらぐしゃぐしゃと柔らかく頭を撫でてくるシュラに
リオもそろそろ困惑し始めた頃


「悪ィ遅れた・・・って、あれ?」

「燐君?」

「リオ先輩?なんで此処にいんだ?」


いつもの刀袋を背負い、制服姿で現れたのは奥村燐

彼はシュラの隣にいるリオを認めると、切れ長の瞳を大きく見開き驚きを表した


「霧隠先生?」

「そんなお硬く呼ぶなよー。アタシのことはシュラでいいにゃ」

「ええと・・・シュラ、さん?」

「そうそう、それでコイツは一応アタシの弟子」


コイツ、と指差されたのは燐

なるほど。と頷きながらも、しかし今此処に彼がいる理由がわからない


「俺は今から任務だって呼び出されたんだけど」

「え?任務?」



戸惑いと疑問の混じる二対の瞳を向けられたシュラ


彼女はニヤリと微笑んだ




「リオのテストを兼ねた---任務だ」









2011/10/18
 

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