アマガミ!!
□生死問わず
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両者が織り成すあまりの気迫に
最後の頼みの綱、雪男までもがこの空気に呑まれようとしていたその時---
「ひゅー」
窓に、影が差し込んだ
「シュタッ」
「「「!!」」」
「兄上、ここですか」
「!?ア、アマイモン・・・ッ」
窓の外から現れたのは、地の王・アマイモン
ここにいる全員に何らかの因縁のある、強力な悪魔である。
何故今、彼がここに
嫌な予感が彼等の脳裏を過ぎる
「ワーイ。リオもいます」
黒光りする奴がいるのは窓の下
その窓枠に乗るアマイモン
「「「・・・・」」」
一同に、今世紀最大の嫌な予感が走った。
今、一番来てはいけない人物(悪魔)が
今、一番近寄ってはいけない悪魔(G)の最も近くにいる
下手な刺激を与える事もできず
彼等はその場で息を飲みながら状況を見守るしかなかった。
「?なんだこれ」
しかしそんな彼等の期待を木っ端微塵に砕くように
黒い悪魔---イニシャルGをじっと見つめるアマイモン
しかしもっと奇形な虫など虚無界で見慣れている地の王は、人間が(一部悪魔も)恐怖するGを気にも留めず
「ビヨーン」
「「「!!」」」
窓枠から飛び降り、そして・・・
ぐちゃ。
小さいが、しかし衝撃的な破壊音がその場に響く。
しばし、静寂がその場を支配した
誰も彼も、今何が起こったのかがわからなかった。
アマイモンのブーツの裏側がどうなっているかなんて、わかりたくなかった。
再び時が動き出したのは、放心状態の4人を不思議そうに見ていたアマイモンが
何も言わぬ彼等に痺れを切らし、その足を動かそうとした時だった。
「ち、近寄らないで!!」
「!?」
一番最初に声を発したのは、リオ
そしてリオに拒絶され、その場に固まるアマイモン
彼はいつもの眠たそうな瞳を大きく見開き、ショックを受けたように呆然とした後
常の彼からは想像も出来ぬような弱々しい声で問いかけた
「ボクが、嫌いになったんです、か・・・?」
「好き!!ちょー好き大好きだからこっちに来ないで!!」
「・・・・」
必死の形相の告白もあったものだ。
あまりのシュールさに、雪男の頬が引き攣る。
「じゃあリオ、どうして・・・」
彼女に近づこうと、アマイモンは一歩、踏み出すために足を上げ----
「動くなアマイモン!!」
「兄上・・・?」
「いいか。その場で、その場でゆっくりと靴を脱ぐんだ」
突如として飛んだ、兄の鋭い声
訳がわからず周囲を見れば、そこにはコクコクと壊れた人形のように首を縦に動かす燐とリオ
「・・・・ハイ」
「足の裏を地面から離さずにだぞ!!」
わからずとも、兄の言葉は絶対である。
それにリオもそれを望んでいるようだ。
促されるがまま、アマイモンは自分の足を動かした
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