アマガミ!!

□生死問わず
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「な、何故奴が私の部屋に…ッ!?」

「どうせお前また、ゲームしながらお菓子の食べかすだのをボロボロこぼしてそのまんまにしてたんじゃねーの?アイツ等はそういうの見逃さずにすぐ集まるんだからな!!」

「私はお菓子など・・・・ハッ!!もしや、あの愚弟が・・・ッ!!」

「なんて事をしてるんです理事長!!奴らは1匹見かけたら40匹はいると思え、と言いますよ!?」

「ヒィイイイイ!!なんて恐ろしい!!」



半狂乱で騒ぐ3人の姿を見ていると、これは大変な事態なのでは。と思えてくるから大変だ。

自分まで呑まれてはいかん。と雪男は軽く頭を振った。



「フェレス卿まで何を言っているんですか。アレは悪魔でも何でもな・・・」

「何を言いますか奥村先生!!奴は悪魔の中の悪魔ですぞ!!」

「つ、つまりキングオブ悪魔・・・!!」


ごくり・・・と唾を飲み込むバカ2人


付き合ってらんねーよ。と心で思った雪男は、腰に差している銃をその手に構えた。


・・・・が


「何考えてんだ雪男!!」

「奴の欠片がそこ等辺に飛び散ったらどうすんです!?」

「嫌ぁああああ!!そんなの見たくない!!それに、もしそれが飛んで来たりした、ら・・・」

「止めろ止めてくれ雪男ぉおおおお!!」


3人に必死の形相で詰め寄られ、割と本気で怒られた雪男。

気迫に押されて「す、すみません…」と謝ったものの、納得いかない。



「では・・・殺虫剤か何かありませんか?」

「あるにはあるのですが…」

「何処だ!?何処にあるんだよ!!」

「私のデスクの下です」

「ここからじゃ…取りに行くには遠いですね」

「ええ。それにこの距離では、ヤツに当たるかどうか・・・」



奴がいるのは理事長室の大きな窓の下


ドアの前に固まる4人には、もはや為す術など無いかに思われた



「ハ・・・ッ!!てゆーか俺等が出て行きゃいいじゃん!!」

「そう・・・そうだよ!!流石燐君!!偉いッ!!」

「よし!!そうと決まれば善は急げ、だ!!」


行くぞ先輩、雪男!!


万事解決した、と晴れやかな表情で平和への扉(理事長室のドア)へと向かう燐


しかし、解決しないのはこの男



ガシッ


「きゃ!?」

「「!!」」


「私を捨てるんですか!?」


そこには「何としてでも行かせまい。行かせてたまりますか!!」とリオの肩を掴む存在があった。


涙目で女子高生に縋るオッサン(年齢不詳)

明日の新聞の一面を飾りかねない画である。


「離して下さい理事長・・・ッ!!私はもう我慢できません!!」

「東宮さん・・・・ッどうか、どうかもう一度お考え直しください!!」

「ごめんなさい・・・私の事はもう、もう忘れてください・・・ッ!!」

「そんな・・・・ッ!!」


これは何の昼ドラだよ。


雪男、再び心のつっこみ。



「リオ先輩を離せ、メフィスト」

「奥村君・・・」

「俺達は生きて、この部屋を出て行く・・・!!」

「おのれ、サタンの息子め……!!」


今度は昼ドラから一転、RPGクライマックスかのような光景である。




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