氷の涙がとけるまで

□冷たい檻の中
1ページ/1ページ


この国タナトスから魔女が消えたのは、そう昔のことではない。


八年前、魔方陣による、大量殺戮が魔法都市ポスタルでおきた。
なんの前置きもなく突然幾多もの魔方陣が発動し、都市の人々に攻撃をはじめた。

死者は少なくとも3000人はいたそうだ。
何故起きたのか、どうやって起こしたのかは不明となっている。

しかし、犯人だけは捕らわれた。

犯人は、



タナトスの魔女全員とされた。

名のある魔女一族は言うまでもなく、少しでも魔女になる資質がある者は全て捕らわれた。


理由は簡単だった。


第一に、魔方陣を発動できるのは魔女だけ。
そして第二に、被害を受けた者の中に、魔女はだれとしていなかった。

この二つを重要な事実として政府はみなし、
魔女全員確保にふみだした。

抵抗したものは容赦なく殺され、家族も連れ去られた。


そして、今、タナトス中の魔女は監獄「ヘスティア」に捕らわれている。
一人につき一人、専属の看守とともに。




魔女がいなくなった国のお話。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ