迷い道
□番
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「和尚様!」
長い長い金楽寺の階段を上り、本堂の方へ行くと、掃き掃除をしている和尚様を見つけて声をかける。
「おお!あやめか。よく来たな。そちらは・・・。」
「忍術学園六年い組、立花仙蔵です。」
「そうか。まあ中に入りなさい。」
座敷に通され、お茶を飲みながら少し話をした後、今回来た理由について詳しく説明した。
「なるほどな・・・理由は分かった。あやめ、座禅を組んで邪気を払い、仏様に祈りを捧げて帰りなさい。」
「はい。よろしくお願いします。」
本堂で座禅を組み、喝を入れてもらう。
その後、和尚様のありがたいお経を聞きながら、しんべヱにそっくりの大仏様に手を合わせる。
「あやめ。もう伯父夫婦を恨んではいかんぞ。正しい道を歩むんじゃ。」
「はい!」
「彼女には、私が付いています。お任せ下さい。」
「ほっほっほ!うんうん。では、また何かあったら来なさい。」
「ありがとうございました。」
「失礼致します。」
ぺこりと頭を下げて階段を下りかけた時、後ろから和尚様が声をかけてきた。
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