迷い道

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四人があやめを尾行してから数日。
前よりいくらか元気になった三郎は、みんなと食堂へ行こうと廊下を歩いていた。


「だいぶ元気になったな。」

「はぁー・・・・・そーかー?」


相変わらず大きなため息だけはずっと吐き続けている。



「あ・・・。」


雷蔵が立ち止まったので、後ろから続いていた三郎が背中にぶち当たる。


「あやめちゃん。」


三郎はあやめの名を聞いて体をビクッとさせて硬直させた。
そっと目だけを動かして見ると、雷蔵の肩越しにその姿が見えた。


「あ!みんなー!」


ひらひらと手を振って近づいて来る。


「今からお昼?」

「ああ、うん。」



雷蔵の後ろにいる三郎には気づいてない様子で話しかけてくるあやめに、ぎこちない返事を返す。
どうしたものかと思っていると、三郎がスッと前に出てきた。



「あやめ・・・。」


いないと思っていた三郎がいきなり出てきて、あやめは目を見開いて驚いている。
途端に眉間にしわを寄せて嫌悪感を露にし、スッと目を逸らして他の四人にそれじゃあ。と挨拶をして走り出した。




が、三郎に腕を掴まれた。



「待って・・・・。」



やっと絞り出た三郎の声はかすれている。


「離して・・・。」


「っっ!!」


首を横に振って拒否するあやめは泣いていた。



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