迷い道

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次に仙蔵があやめと出会ったのは、飛び降りを止めた二日後。


伊作に色々と聞いてみたが何も収穫は得られず、逆に伊作から質問責めにされてしまったくらいだ。




確か伊賀崎と仲が良かったはずだ。と思い、探しまわっているのだが見つからない。



屋根に登って学園を見渡していると、塀を伝って裏山へ消えていくくのたまを見つけた。




仙蔵は一瞬で先日の事を鮮明に思い出す。
まさか。と思い、孫兵探しを一旦中止して後を追うがどこへ行ったのか見つからない。


走り去った方角へ歩みを進めると、緑と茶色の林の中にポツンと見えた桃色。



慌てて駆け寄って愕然とした。


 
大木の陰から見えた、だらりとだらしなく下ろされた右手には、ついたばかりと思われる大量の血がついた苦無が握られている。

正面に回って確認すれば、やはりあやめで間違いなかった。

そしてその左腕には切り傷が一つ。
手入れの良い苦無は良く切れる。
スパッと切れた傷口からは鮮血が滴り落ちていた。



「あやめ・・・・!!」


「・・・・仙蔵。また会ったね。」


「呑気な事を言っている場合ではない!」



このまま放っておけば間違いなく失血死。
仙蔵は自身の頭巾をはずして簡単に止血すると、そっとあやめを抱えあげて学園に連れ帰り、人に見られないように医務室へ運んだ。







「!!!あやめちゃん!?と、とにかく治療を!」



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