短編・番外編


□秘すれば華
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部屋の扉が、ゆっくりと開く ――――― 。


「…おや…。こんな夜更けに…、どうしましたか?」


綾が、ふらりとメフィストのいる窓辺まで足を進める。



「…理事長…」


はらはらと、綾の瞳から涙が零れ落ちる。


「これは困りましたね…。愛らしい瞳からそんな美しい涙を流して…」


綾はメフィストの腕にそっと縋りつく。


「綾……。あなたはもう休まなくてはいけない時間ですよ?こんな所に来たら、貴女を食べてしまおうと企んでいるモノの思う壺ですよ…?」


そう言ってメフィストは綾の頬を両手で、壊れ物を触るように触れる。


綾の潤む瞳を、メフィストは深く見つめる。

溶け合うように二人の目線が絡み……、


その行為は唐突に始まる ―――――― 。









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