白の花束 BOOK

□始まり
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そんな幸せな私の暮らしは簡単に壊れることになった――





私には生まれつき不思議な力があった。


「みゅー、絶対に自分を失わないで。」

もの心ついた時、言い聞かせられた言葉。



なんでだろう?

そう思った。
幼い私は両親の言っている意味がまだ理解できなかった。






理解したのはある昼のことだった。

両親が仕事に出かけ、家には自分1人だった。

家の中でじっとしているのも退屈で、外にでることにした。



外といっても決められた場所まで。

両親以外とは話したことも無かった。



生まれてからずっと、決められた範囲だけで生活してきた私にとってそれが普通だった。




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