青の祓魔師 長編

□第三話
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よし、雪男に電話するか。


テゥルル・・・ガチャ

「もしもし?」


え、ワンコール・・・


『え、なんでワンコール!?』

「さっき兄さんが衣織から電話かかってくるって聞いたから。
 そんなあからさまに気持ち悪がらないで!」

『びっくりしたー。』


いつの間に変態化してしまったのかと思ってしまったぞ!
いや、でも雪男ってある意味ブラコンっぽいところあるよなー。
え、二人ってそうゆう・・・


「関係じゃないから!まったく、なにを考えてるんだ。」

『人の考えを勝手に読むんじゃねーよ!!』

「全部口に出してたじゃないか。」

『マジか。直さないと・・・』

「で、まさかそんな事で連絡したわけじゃないよね。」


さすが雪男、カンが鋭いっていうより頭の回転が早い。
少し長い沈黙が訪れる。
わたしが口を開こうとした時、雪男が質問してきた。


「天使のことはもう聞いた?」

『うん。まぁ聞いたっていっても、もう自分で自覚してたし。』


雪男はもう、祓魔師になる前からわたしについてや天使について神父さんから聞いていた。
それを知ったわたしは雪男だけに天使やフィアナについて自覚していることを話した。
だからもう雪男は全部知ってる。

それからわたしは雪男に京都にすまないか誘われたことや、
メフィストがわたしを引き取って育てたいと言い出したこと、
わたしの存在を上層部にバラすと脅してきたことと京都に住む条件として高校は正十字学園に入ること、
祓魔師になるために祓魔塾に入ることになったことを話した。


『だからわたし京都に住むことにした。』

「それは、兄さんのため?」

『まぁ・・・それもある。
 だけど雪男のためでもあるし、何より自分のためだよ。』


そう、自分のため。
わたしが強くなるためには燐と雪男とは少し離れないといけない。
さっきの燐に電話したときもそうだったけど、わたしは燐と雪男に甘えてしまうところがある。


『そうそう、メフィストには京都で悪魔に襲われて死んだって伝えるんだって。
 やばい、わたし死んじゃった!』

「じゃあ神父さんは僕たちにも衣織が死んだって伝える気かもしれない。」

『・・・どんどん真面目にわたしの死亡フラグ立っちゃってる!?』

「騙すならまず味方からっていうでしょ?
 でも僕は衣織が生きてるってわかってるんだ。
 いつでも電話してきてもいいよ。」

『・・・っ・・・あははっ。さっすが双子だな!!』


二人しておんなじ事言ってる。
でももし雪男の言ってることが本当なら、もう燐には電話できない。
もし京都で死んだってことにしたら会えないかもしれない。


そして、それから約10分くらい雪男と二人でこれからの事についてやちょっとした作戦、
高校で燐に会った時の反応や、お互いの接し方について話していた。


「よし、これくらいでいいだろ。」

『なぁ雪男!手紙も送っていい!?』

「兄さんと神父さんにバレたらどうするんだ、ダメにきまってるだろ。」

『宛名書かねぇからさ!』

「メールにしろ!」


と、言われたけど一ヶ月後雪男に手紙を送ったのはちょっとした嫌がらせ。
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