青の祓魔師 長編

□第三話
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「お前は何をやってんだ!」

『ごぉっ、ごめん!!
 あの、ほんとすいませんでした!』

「そないに気にせぇへんでもええで?」

「・・・お前、本当に大丈夫か?」

『な、慣れれば・・・たぶん、なんとか。』


今わたしは神父さんに怒られています。
理由は自分でも怒られても仕方ないと思う。

人様のお家を逃げるように走り回った挙句迷子になるという自体。
ホント我ながら中学生にもなって何やってるんだか・・・

逃げてしまったのにも理由はある。
それはこれから一緒に住んでいくであろう男の子たちに会ったから。
いや、別になにか変な事をされたわけでも言われたわけでもない。
だって三人ともわたしには話しかけてないから。

でも、でも!なんか怖かったんだよ!!

何もしてないのに怖がってしまったのでどうしようと思ってたら虎子さんに


「あの子たちもそないに気にしてへんから。」


と言ってくれたけど、やっぱり今度会ったときに謝らないと。

逃げなかったら、だけど・・・

ちなみに、迷子になってたわたしを見つけてくれたのは柔造さん、という人らしい。
すんごくいい人だった!
かっこよかったし、こう・・・大人の男性って感じした!!

いや、そんなわたしの感想なんかどうでもいい。

わたしが落ち着いたからいったん旅館の部屋に戻ることにした。
ちゃんと虎子さんに案内してもらって。

神父さんはまだ達摩さんと話があるらしい。
だけど燐たちに電話してもいい、と言われたので部屋に戻るとすぐに
携帯に登録されている燐の名前を探す。


テゥルルルゥー・・・テゥルルルゥー・・・

「おっ!衣織じゃん!」


すごいよ、燐。
まさか2コールで出るとは思わなかった。

だけど一番すごいのは、


『あはっ、まさか燐の、声・・・聴いた、だけで・・・』


涙出てくるとか思わなかったよ。
でもその言葉は嗚咽へと代わり、伝えることはできなかった。


「!?お、おい!衣織大丈夫か!?なにかあったのか!
 もしかして迷子になったのか!だったら早くジジイに電話・・・」

『ははっ、大丈夫だよ。大丈夫。迷子じゃない、からさ。』

「・・・衣織お前、もしかして寂しくて泣いてんのか?」

『ちがよ!中学生にもなって寂しくて泣くって無いから!』


とか言いつつこうゆう時の燐のカンの鋭さにはかなわないなぁとか思ってる。
たぶん、燐の言うとおり多分寂しかったんだと思う。
だからって泣くことねーじゃん。心配かけるだけなんだし。


「なにがあったのかは分かんねーけどさ、帰ったら
 なんか衣織の好きなモン作ってやるから元気だせって!なっ?」

『へへっ、やったぁー!じゃぁねー。うーん・・・モンブラン!』

「わかった、いらないんだな。」

『えぇーっ!ごめん、ごめんなさい!!
 じゃあオムライスがいい!』

「わかった。じゃーさっさとみあげ買って帰って来いよ。」

『うん!』


それから20分くらい燐と話していた。
実はわたしって人見知りだったんだよ、とか
神父さんのせいでおみあげが買えてない、とか・・・
だけど雪男とも話しておきたいことがあるからそろそろ切ろうとかなと思ってたら


「俺にはいつでも電話していいからな!」


といってきた。


『わかってるっつーの!じゃーね!!』


そういって電話を切った。
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