百物語

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おかしい。

おかしい。

おかしい。

何が?

わかんねぇ

だけど

おかしい。

何かが、

おかしい。

おかしいんだよ

何かがおかしい

わかりそうでわかんねぇ

もやがかかったように、

何かが思い出させるのを阻止してるような

そんな感じ


「修造?修造の番だよ?」

「あ、あぁ…そうだな」

「どうしたの…?」


俺が此奴を心配して安心させてやんねぇといけねぇのに俺は何も出来ない。

それどころか、心配かけちまった。

タツヤに殴られるな…


「なんでもねーよ。お前の怖がってる顔見るの楽しいなぁって思っただけだ」

「はぁん?!私はちっとも楽しくない!!」

「…俺は楽しいんだよ」

「……シュウ」


本当はちっとも楽しくねぇよ。
俺が可笑しいのにタツヤは気付いてる、


おかしい。

おかしい。

だけど

何がおかしいのかわかんねぇ。

誰も

わからねぇ

みんなわかんねぇ

だけど

何かが確実におかしい。


「えりなは」

「ん?」

「そのままでいろよ」


えりなにはそのままでいて欲しかった。

純粋に怖がって

嫌がって

拒否して

全てを受け入れない

純粋なえりなのままで











俺らが狂い始めてたから気付かなかった。



「えりな、ごめんな」

「?」

「俺、今からえりなのこと裏切るわ」

「意味不明!!!!」

「えりなの泣き叫ぶ顔が好きなんだよ」

「黙れ変態。辰也此奴やばい」

「それは初めからだよ」

「そうだけど!!!ヤンデレ行っちゃったよ!!!!」

「いーっぱい泣けよ?」

「我慢してやる」

「無理だ」

「無理じゃねぇええええよ!!!」

「無理だ」

「……嫌な予感しかしない」






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