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□汝、人成りしか
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side.エマ
初めて彼に会った時に、もう運命は廻り始めていたのかもしれない
私はずっと、保身でしか動けない人間だった
面倒なことは全て他の誰かがやってくれるのだと期待して目を背けて
でも君は違ったね、カールス
僕たちが動かなければいけないんだと何度も呼び掛けてくれたのに僕は勇気がなかったんだ
父さんのことも、君とベスビアのことも、僕が仲介出来ていれば何か変わっていたのかもしれないのに
いつだって、僕に残るのは後悔だけだった
カールスの遺したノート
あれがなければ僕はただの臆病者に過ぎなかっただろう
君の過去に触れて人の傲慢さや世の中の不条理を知ったよ
そして、君の弟が2人この学園に現れた
アゲートはとてつもない力を秘めていて、クロムは人造兵
けれど僕にはどちらも普通の少年にしか見えない、他の生徒達と何ら変わりのない15歳の少年
ベリルとフォンという友達もいる
あの小屋で4人で君のように飛行機を作っているよ
きっと、君はこんな光景を望んでいたんだろうね
人間も人造兵も分け隔てなく暮らせる世の中を夢見て…
今、意図せずだが叶えられているよ
少なくとも彼ら4人の間では、人間と人造兵、出身国など関係ないようだ
そして、ベリルとフォンはあの時足がすくんで飛び出せなかった僕とは違い今にも飛び立とうとしている
カールス、君の意思はきちんと受け継がれている
僕は君に何もしてやれなかった
だからせめて彼らは護りたいと思うよ
君の遺した希望だと信じているから