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□汝、人成りしか
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side.ベリル

初めてアイツを見た時から憧れていたのかもしれない

その、自由に空を駆ける姿に




正直、人造兵の事は問題ではなかった
実際に目にしたことがなかったからかもしれないが、それよりも母の方が私には大切だったのだ


母の意思を無下に扱い、存在すらも否定してくる親戚達
それがどうしても許せず、ジャスパー家の当主になれば母の意を尊重できるはずだとクラスターE.Aに入り成績を残すよう努力してきた

それが間違いだとは、思っていない




ただ、アゲートに会ってから私の進むべき道に迷いが出てきた

軍や教団、私の知らない世界を垣間見たからか
クロムという人造兵の友が出来たからか


少しずつ明かされる真実に戸惑いはしたが、私は私のために出来ることをしようと誓った


―世界のためではなく、自身の為に―


名誉などというモノよりも、もっと大事なものがあるのではないのかと
周りにいる人間よりも、人造兵の方が確かに心を持っていることを知った

私は、彼らの友であることを誇らしく思う
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