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□驚く男。
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―ガキじゃねぇか!!―
第一印象はそうだった。
面倒見が良すぎる相方が長期出張とか言って出て行って直ぐ。
俺の所に依頼が来た。
それも人に物事を頼むというのが苦手な奴らからだ。
―大事だから守ってほしい―
とのたまうから、どんな極上の女かと、正直楽しみにしていた。
していたのになんだ。なんなんだ。
俺の右目が見えないとかは関係ない筈だ。
可愛い面はしているが、間違いなく俺の前に立っているのはガキで、そして男だった。
少し上目遣いで俺を見る。
眼が悪いのか、単純に目付きが悪いのかは分からないが、睨まれている気がするのは気のせいか。
もしかして、このガキの耳に光るピアスが珍しいダイヤモンド――でもなさそうだ。
しかし、俺にはこのガキの顔に、何となくのデジャヴを感じていた。
どこかで見た気がする。
神経を研ぎすまし、今一度目の前のガキの面を見る。
そこで俺はある答えに行き着いた。
『これは…、なんだ、あれか?ブラコン!?』
間違いない。こいつはクライアントの弟だ。
あいつら、このガキのお守りに俺を名指しで指名しやがった!!
冗談じゃねぇ!
ケータイを取り出し、電話を掛ける。