Novel
□君がいた
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その笑顔につられ、俺も微笑んだ。
「わっ!日吉くんの笑顔ちょう貴重〜!!」
「別に貴重なんかじゃないだろ。」
「貴重だって!だって日吉くんめったに笑ってくれないだろ?」
たしかに俺が笑うのは珍しいらしい。よく鳳や先輩達にも言われる。
「…―お前だけなんだからな、俺が笑った姿なんかみせるの……」
恥ずかしい。自分で言っていてすごく恥ずかしかった。顔から火がでるってのはまさにこのことなんだな、と改めて認識した。
瞬間、切原は腕をつかんできて自分の所へと倒れさせこみ切原が俺を後ろから抱きしめた状態になった。
「ーっ!なっ何すんだよ!いきなりびっくりするだろうが!!」
「だってかなり可愛いこと言ってくれちゃうんだもん。そりゃあ、抱きしめたくなっちゃうでしょ!」
「っ…」
俺は切原のいきなり行為に驚いたがでも妙に落ち着く、そう思った…―
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