長編
□お宅拝見
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玄関に立つ。
扉には、すっかり黒ずんだ金属製のノッカーがついていた。
一応使って見るも、返答はない。
・・・・・・まあ、これだけ大きな館だ。期待はしていなかったけれど。
ーーさて、どうやって入ろうか?
第二関門で、初めてつまづいた。
まわりをぐるりと回ってみても、先ほどのような抜け穴は見つからない。
館の壁が崩れていたりしたら、それはそれで問題だけれどね。
万事休すか、と空を見上げる。
するとーー
ーー幸運の天使が私の前に姿を現した。
「・・・・・・みーっけ」
ーー二階の窓が、少し開いていた。