サンプル小説

□サンプル1
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僕は生まれたときから、クルセイルと言う女性とその弟のメルトと一緒にいた。

所謂幼馴染って言う関係。

毎日が凄く楽しかった。


暫くして僕は絵を、クルセイルは射撃が得意になった。
メルトはそんな僕たちを見て、目を輝かせていた。




でも、そんな幸せも長くは続かなかった。
クルセイルとメルトの母が病気で亡くなってしまったんだ。



そして母がいなくなった後に狂った君の父は君とメルトにこう言ったんだ。


「そうだ。お前達を封印すればいい
そうしたらあいつはきっと私の元へ戻ってきてくれる」


彼女達は生まれつき、魔法が使える家族だったので容易かった。
抵抗も出来ずに彼女達は魔法によって封印され、氷の神殿に祭られてしまった。


それでもまだ幼かった僕は彼女達は旅に出たとその父から知らされて、納得していた。
でも違ったんだ。




ある日、僕は氷の神殿へ行ったんだ。
あそこは全てが煌いているから、絵を描くのには丁度いい。
それにあそこは大好きな姉弟との思い出がいっぱい詰まっているんだ。


たまには最上階へ行ってみようとうきうき気分で楽しそうに足を踏み出す僕。




でも、最上階に行った僕は、時が止まったように動かなくなった。



だって。



旅に出たはずのクルセイルとメルトが冷たいクリスタルの中に閉じ込められていたから。


目を閉じて身動き一つしていなかったんだ。
僕は持っていた大事な絵描き道具を落とし、二人に駆け寄った。


「クルセイル!!!メルト!!!」

一生懸命叫んだ。涙が止まらなかった。
どうして、何で?僕の知らないところでこうなっていたなんて。

僕はクリスタルを思いっきり叩いた。どうにかして壊れると思って。
でもひび一つ入らなかった。


どうしようもなくなった僕は絵描きの道具で壊そうと、後ろに背を向けた瞬間。


「…テ………アル……テ…」
「!」

君の声が聞こえた。とても小さなか細い声だった。
振り返ればクリスタルの中で僕をじっと見つめる君と、泣きそうな顔をしたメルトがいた。



「っ!!今、助けるからっ!」
「……大丈夫だ。あいつの魔法だろ。…そんなもん、もう……普通に壊せるから」

クルセイルは小さく何かの呪文を唱えた。
そうしたらメルトのクリスタルがひび入って、そして音を立てて割れた。
崩れ落ちるメルトを抱き上げて、僕はまた唱え始めたクルセイルを見た。


クリスタルにひびが入り、メルトと同じように崩れ落ちる君を抱き抱える。
君は抱き抱えた僕の手に自分の手を添え、小さく笑ってくれた。


……ああ、身体が…冷たい。
……早く、早く気付いてあげたかった…。


「………よう、久しぶりだな。ふふ…随分背が伸びたんじゃないか?」
「っ……そんなこと言ってる場合じゃないよ!!怪我は!?手当てをっ!!」
「…それは、大丈夫です。僕らは無傷ですから」

メルトはそう言って座り込む僕に抱きついてきた。
少し驚いたが、メルトのすすり泣き声が聞こえたので僕はそのままメルトを抱き返す。

「まだパパは、いらっしゃるんですか?」
「……君のパパはとっくに、引っ越してしまった。だから大丈夫……だよ」


小さく微笑むと安心したのかメルトは眠りについてしまった。
可哀相だけど、僕はメルトを床に寝かせる。
きっと床は冷たくは無いから大丈夫だろう。


「チッ………あいつ、私たちを置いて勝手に引っ越したのか。最後まで嫌な奴だ…。」
「クルセイル………。」
「――大丈夫だ。恨んでなんかいない。
あんな奴恨んだって仕方ないしな」


クルセイルは僕をじっと見てきた。
不謹慎だけど………少しドキドキしてしまう。
君は幼い頃と違って、背も髪も伸びて、もっともっと可愛くなっていたから。

………いや、そんな問題じゃない。


「…ふっ……本当に久しぶりだな。お前今何歳だ?」
「僕…は、……12歳、だよ」
「ふーん…。そうか。あの日からもうそんなに経ったんだな。私はそんな感じがしないが」

フレイヤはそう言って困ったように僕を見て、くすりと笑う。


「……あの、君とメルトは旅に出たと聞いた。
幼い僕はそうなんだって、思って。……帰ってくるのを待ってた。
……ごめん、早く気付いてあげられたら…。」
「いいよ、そんなの。
それよりまた会えて嬉しいよ。メルト背負って外に出ようぜ」
「……うん!」


幼い頃と同じ笑顔を僕に見せてくれる君に安心したんだ。
号泣しそうになったところをクルセイルに茶化されたので、泣かないようにしたけど。
でも……やはり泣きたくなって。

背を向けて立ち上がろうとする君を後ろから抱きしめて泣いた。
君は僕を離そうとはせず、抱きしめる僕の手を握って優しく微笑んでくれた。






「また会えてよかった」





 


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こんな感じですね。

このサンプルは私のオリキャラ、アルテ。…クルセイルとメルトという姉弟の過去を小説にしたものです。
アルクル要素は私の趣味です←

えっと…こんな微妙小説なので駄目だと思った方はお勧めはしません。

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