正反対姉妹の華麗なる日常(ブック)
□天使のち女神、時々奴隷
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13年という歳月の間にルナの身長はグングン伸び、160センチという女子にしてみればとても高い身長に恵まれた。
ふくよかな胸にスラリとした体系と健康的な小麦色の肌、その上知性と美徳にも長けている。
まさに理想の女性像ではないか。
しかし……
「ルナさん…!貴女の美しさと優しさに惚れました!」
『…?』
「付き合って下さいっ!!」
『……貴方は間違っています。』
「え…」
『この世で最も美しく最も優しく最も偉いのはディアナお姉さまなのです…!』
「は…はぁ…」
『いいですか?お姉さまは……うんたらかんたら…』
「う、うん。君のお姉さんはすごいね!…あ、ごめん!僕もう行かなきゃ!」
…ルナのディアナに対する盲信ぶりにも益々拍車が掛かっていた。
そんなルナでも持ち前の優しさと普段は姉に隠れて見えない美貌に虜にされる男は数知れず。
では何故今の今までルナに恋人がいないのか。それは──…
『あれぇ?こんなところで何してるのぉ?』
「あっ…ディアナさん…いえ、その」
『誰か待ってるのぉ?違うよね、じゃあ私と一緒に行きましょぉ』
「え?えっ?!ちょ…っ」
──1時間後…
「ディアナ様〜っ!!」
『なぁに?』
「是非蹴って下さい!!」
『イ・ヤだって私忙しいものぉ〜』
…そう。熱烈なディアナ愛に引かなかった者たちは、同じく(表には出さないが)
熱烈なルナ愛のディアナの手によって“あっち”の道に引き摺り込まれるのだ。
『お姉さま……って、誰ですか?彼は』
『あらルナ、遅かったわねぇ。アレ?新しいげ・ぼ・く!』
『…そうですか……ハァι』
『ルナに集る害虫は私が引き摺り堕としてやるんだからぁ』
『……?』
結局はディアナもルナもお互いに引けを取らないシスコンなのである。
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