小説 東方迷い人

□一章 その名は幻想郷
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「――アンタ、名前は?」

「…坂口竜」


「へぇ…なんか子供に
喜ばれそうな名前ね」


「…どーいう意味
ですかね?」


「中2臭いって
言いたいのよ」

「ほぅ。
ぶちのめされてーのか
クソアマ」


「冗談よ。
二割ぐらいね」


「…せめて八割にして
欲しかったぜ…!」


謎の神社到着後、
おしゃれ(?)な女に
遭遇。
まぁ立ち話しも
なんだから、という
ことで神社の中に
入れてもらえた。


「アンタ巫女さんか?」


「えぇそうよ。
…見ればわかるでしょ」


「…俺にはアンタが
奇抜でコスプレな格好
をしている人にしか
見えないんだが」


「……」


「――うぐぅっ!?」


竜がそう言うと
名も知らぬ巫女が
足のすねを蹴った。
軽く、竜の目から涙が
ちょちょぎれる。


「そういえば、私の
自己紹介がまだだった
わね」


「ぐぐっ…テメェ…!
その態度ホントに巫女
なのか!?」


「いいから聞けよ」


「――うぐぅっ!?」


話しを聞かない竜に
巫女は竜のみぞおちに
拳を入れた。

この時、竜は確信した。
この女は理不尽だ、と。


「コホン…初めまして。
私はここ博麗神社の
十四代目博麗、そして
この神社の巫女
『博麗霊夢』よ」


「博麗…霊夢、ねぇ。
なんか不思議な名前
だな」


「私からしたらアンタの
方が奇抜な名前してると
思うけど」


「名前のことは
言うんじゃねぇっ」


さっきの無礼な態度から
一転、堅苦しい
自己紹介をしたことに
少し竜は驚いた。



…もっと驚いたことは
自分と同じような年頃
の女がここの神社の
巫女をやっている…
と、いうことだった。
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