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□じゅーに
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お酒の力って怖いなぁ。とか思った。
さっきの自分の台詞を思い出す。
『好きか嫌いかと聞かれれば…』
「…ね。紗倉さん、俺のこと嫌いでしょ」
「う、…え、?」
「分かるよ、そういうのは。でもやっぱり諦められないし、何かいけそうかもとも思えるし、
迷惑そうにしてる顔も、さっきの心からの笑顔と同じくらい、好きなんだよね」
揺らぐ。
苦手、とか、嫌い、とか。
わかんなくなるじゃ、ないですか。
なんで折原さんそんなに、格好良いの。
なんで私はこんなに、―――心臓が高鳴っちゃってるんだろう。
「ねぇ、えみちゃん。今の本当の気持ち、聞かせてよ」
「…っ……、にがて、です、!ほんとうはすきです…ばか」
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