中編集
□はーち
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残念ながらぜーぜー言って必死に言葉を探しているのは
違わず私達であった。
「……」
「………」
お互い一瞬で冷静になり、なんとも恥ずかしい空気が
誰もいないオフィスに流れる。
そしてふっ、と息を吐き出したのは折原さんだった。
「…っふ、ふふ、あはははっ!
こんな言い合いしたのは久しぶりだ!くくくっ、!」
「……私も、学生以来ですよ…。…ふっ、あはは!」
堪えきれず、私も笑い出してしまう。
久しぶりに――楽しい。
何でこんな言い合いになったんだろう?
なんて学生みたいなことを考えてしまう。
大人になっても、話の流れなんて、覚えちゃいなかった。
しばらく、お互いがつられ笑いをして、何の含みもない
あっぴろげな笑い声だけがオフィスに響いた。
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