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身体中が痛い。
誰もいなくなった屋上で、私はそこにうずくまっていた。
女の子なのに、みんな力強いんだな…。
うっすらそんな事を思って、小さく息を吐く。
―屋上の鍵は、内側から閉まっていた。
女の子達が出て行くとき、わざわざ声を大きくして『鍵閉めっから、一晩そこで反省してな』とご丁寧に閉めて行ったのだ。
さっき確認したところ、脅しでもなく鍵は本当にかかっていた。
というか、ドアの反対側に施錠した状態で鍵が刺さっていた。
警備員などいないし、ドアのガラスを割って鍵を開けることなど出来る訳がないし、
そんなの”私”のすることじゃない。
つまり、どちらにせよ私は閉じ込められたって訳だ。
―どうして、私はあんなことを言ったんだろ。
あんなこと言わなければ、あんな風にかっこつけなければ、
殴られずに済んだかもしれない。閉じ込められなかったかもしれない。
さっさと謝ればよかったんだ。土下座でも何でもして、もう折原君とは関わりませんって。
言えばよかったんだ。
止まっていた涙は、再び動き出した。
考えれば考えるほど、自分のバカさ加減に腹が立って、泣けてきて、
後ろ向きなこと沢山沢山考えて、私は全然強くなくて、
…取り繕う普段の自分との違いに、また、涙を流した。
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