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「…なんだ、こりゃ」
下駄箱には、見知らぬ手紙が一通。
ラブレターとかそんなカワイイものではなく、内容は―
『今日の放課後屋上に来い』
どこか丸みを帯びた字で、そう書いてあった。
―来いって何ですか、命令ですか。
つまり決闘ってことですかねえ?面白い、うけてやる。
いいよいいよ、一人でへーき、こんなの。
偶然見られた友人にそう言って笑い、何でもないようにバッグに入れた。
「………」
―本当は、怖い。
行きたくなんか、ない。だって…予想はついてるから。
だけどきっと”頼りになるえみちゃん”は、勇ましく相手を一蹴して帰ってくるのだ。
だから、―笑って。
私は一人、屋上へと向かった。
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