中編集

□04
1ページ/1ページ




「…なんだ、こりゃ」


下駄箱には、見知らぬ手紙が一通。


ラブレターとかそんなカワイイものではなく、内容は―




『今日の放課後屋上に来い』



どこか丸みを帯びた字で、そう書いてあった。





―来いって何ですか、命令ですか。

つまり決闘ってことですかねえ?面白い、うけてやる。


いいよいいよ、一人でへーき、こんなの。




偶然見られた友人にそう言って笑い、何でもないようにバッグに入れた。





「………」





―本当は、怖い。


行きたくなんか、ない。だって…予想はついてるから。



だけどきっと”頼りになるえみちゃん”は、勇ましく相手を一蹴して帰ってくるのだ。





だから、―笑って。











私は一人、屋上へと向かった。











.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ