おまけ
□闇姫
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私こと天和には、苦手な人物がいる。
「ん、どうしたの、天和」
それがこの人、真柴シズだ。
「ん、天和?」
「あー、なーんでもないっ!」
「ん、何でもなくないよ。天和はいつも無理してる」
「ちょっともー。いつも言ってるけど、誤解だって。シズが気にしすぎなの!」
「ん、そうかな」
「そうです!」
「ん、…天和がそう言うなら」
シズは、優しい。
女の子限定なら、梁取だって優しい。
実際私を見抜いているのは、シズと梁取くらいだと思う。
確かに私は、シズの言うとおり無理している自覚がある。
梁取なら、そのことを敢えて私には訊かない。
私が隠している限り、聞かれなくないんだろうと、気づかないふりをしているのだ。
でも、たまに気を遣っているのがわかる。
私が肯定したわけじゃないけど、梁取はきっと確信をもっているのだ。
女の子が好きな故に。
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