おまけ
□黒バス
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「朔夜!一緒に部活行こうっス!」
「ん?ああ、黄瀬。いいよーちょい待ち」
「いつまでも待つっスよ〜!」
「黄瀬はいつも元気だよね…」
それが取り柄っスから、と笑うと、彼女は苦笑いを浮かべ、
「黄瀬にはもっと凄い特技、あるでしょ」
少しドキッとするような仕草で、長い茶髪を結んだ。
「〜〜♪」
オレは鼻歌混じりに、提出課題に取り組んでいた。
珍しく期限を気にした理由は、朔夜に教えて貰った範囲だからだ。
課題はそれなりにそつなくこなすことが出来た。
朔夜に感謝し、少しニヤニヤとしながら気分転換にiPodの電源を入れる。
すぐに流れ出した音は、ノイズの混じったラジオ。
反射的に時計を見ると、ちょうどいつも聴いているラジオが放送する時間帯だった。
チューニングで微調整をすると、クリアな声が聞こえてきた。
『―では、メールを紹介します。ラジオネームきりさん。
"私には、毎日殆ど一緒に過ごしている異性がいます。
手を繋いだり二人で出掛けたりしますが、告白はしてもされてもいません。
私は彼が好きですが、もしかしたら彼にとっては
只の友達なのかもしれないと思うと不安です。
どうしたらいいで―――――』
イヤホンが外れ、それ以上音が聞こえてこなくなる。
オレは衝撃を受け、しばしそのまま固まっていた。
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