‡†ダブルローズ†‡

□第四章
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それからしばらくして、三人は王城の玉座の前に片膝を床につき、頭を垂れていた。

玉座には国王、マクフィル。そしてその両脇には二人の男が立っている。

一人は銀髪に青い瞳の、マクフィルより少し若く冷たい空気を纏う男。もう一人は金髪に緑の瞳の、レイティより若い十代前半ほどの少年。


「任務ご苦労であった。クロノスに至っては、任務協力してくれたことを感謝する」


マクフィルはカインとクロノスに声をかけたあと、レイティへと視線を落とした。同時に、カインが口を開く。


「この者がレッドローズから連れてきた──」

「レイティと申します。お目にかかれて光栄です、国王陛下」


カインの視線を受けて丁寧な言葉遣いで名乗れば、マクフィルの射抜くような眼差しが少しだけ和らぐ。


「よく来てくれた。体調が優れないと聞いていたが、今はどうだ?」

「はい、王都に入ってからは良くなりました。ご心配いただき、感謝いたします」


レイティの凛とした声が響く。この時、マクフィルの脇に立つ金髪の少年の瞳が少し細められたことに、クロノスだけが気づいた。


「彼女の症状は書状に記した通りです。専門の方に診ていただいた方が良いと言いましたが、まさかキル様をお呼びいただけるとは思いませんでした」


クロノスの言葉は金髪の少年に向けられている。キルと呼ばれた彼は、前に進み出てレイティと目を合わせるようにしゃがんだ。

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