外伝集

□大騒動な一日
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冷静沈着で仕事人間のカインはその日、パートナーが自分にとって最大の悩みの種だということを改めて思い知った。


昨日、師のフェイクトから非番を言い渡されて屋敷で私用を片付けていた時のこと。扉がノックされたので返事をすれば、現れたのは同じく非番を貰ったパートナー。

忙しくて非番も重ならず、アベルの計らいで久しぶりに同じ日に休みになっていた。


「用でもあるのか」


ぶっきらぼうな言い方だが、いつもならこんなことを聞かない。非番が被った日は用がなくても居座っていることが多いからだ。

だが今日は何か言いたげな顔をしている。それも期待を込めた目を。


「ねえ、今暇?」

「今は手が空いてない。どうした、何か用事か?」

「ううん、忙しいならいいの。お邪魔しました」


手は離せないが話だけでも聞こうとしても、彼女は首を振って早々に退室する。特に落ち込んでいる様子もないため、大した用事ではないのだろう。

少しの間彼女が出て行った扉を見つめた後、カインは私用に戻った。

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