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□時5
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(春夢)
01:昼下がり
『あ、今日も寝てる』
ボクは彼女の寝顔を見ながら、ひっそりと笑顔を浮かべてしまう。
少し離れた席に座る彼女は、そんなボクにも気づくはずはなく。
いつものように、自分の腕に顔を埋めて夢の中。
《腹の皮が張ると、目の皮がたるむ》
彼女はいつも5時間目、机に顔を伏せて眠っている。
『いっぱい食べたんですかね』
食べてる彼女を想像して、また一人で笑ってしまう。
彼女は今、何を夢見ているんだろう。
いつも教室では、花のように笑っている。
そんな顔も大好きだけど。
無防備な寝顔が一番かわいいなんて。
昼下がりの君
(そんな君に、ボクは惚れました)
(悠太夢)
02:ティータイム
「あれ?」
たまたま。
偶然。
今日は妙に喉が渇いて、でも冷蔵庫を開けても、牛乳も麦茶もなかった。
だから、夜中11時なんて、非常識な時間にコンビニに行って。
そのまま外の風に心地よさを感じ、公園に足が向いた。
見つけたのは、オレの好きな人。
「おはよ!」
「いや、今、夜ですから」
元気に挨拶してきた彼女はベンチに座って、ペットボトルのお茶を飲んでた。
「悠太くんのほうだよね。こんな時間にどうしたの?」
「はぁ・・・喉かわいて、コンビニ行って来たんです」
「そっか、ねぇ、一緒に話さない?」
ベンチ、座んなよ
そう手招きされて、彼女の隣に座ってみた。
君とのティータイム
(真夜中の公園、ベンチでのお茶会なんて)(逢引ですか・・・?)
(要夢)
03:朝寝坊
『起きろよ!遅刻すんだろ!』
そう言おうとして、口を閉ざす。
寝顔が可愛くて、見惚れた。
「ん・・・」
『っ?!(赤面)』
じっと見てたら、小さく漏らした声と、寝返りに驚く。
ったく、オレが起こしに来るってわかってて、なんでいっつもこんなに無防備なんだ?!
いつもながら赤面してしまう。
でも、オレは起こそうとはしない。
まだ、時間に余裕がある。
ずっと朝寝坊な君でいて
(そんな姿をずっと見ていたい・・・)(ってオレは変態か!!)
(千鶴夢)
04:昼食
「ありゃ?!もう15時?!」
「うっわぁ〜、オレまだ昼飯食ってねぇわ」
「あたしも〜」
適当にオレの家でくつろいでた彼女が、時計を見て言った。
他愛もない話に夢中になって、やっと一息ついたら、いつの間に・・・!?
「千鶴〜なんか食べる??」
「手料理食べたいな!!作ってぇー!」
「はいよー」
そういって立ち上がり、キッチンに向かう君。
昼食よりも、君だった
(うわっ昼食忘れるくらい、オレってば、べ〜たぼ〜れなのねぇ・・・;)
(祐希夢)
05:オヤスミ前
「悠太〜もう寝る・・・」
「はい。おやすみなさい」
まだなにか作業をしてる悠太に声をかけて、自室に入った。
ベッドに横になって、目を瞑る。
『祐希、また明日ね!』
そう満面の笑みの君が、瞼の裏に残ってた。
オヤスミ前に、見えるもの
(瞼の裏の君の笑顔)(きっと一生消えない、ね)
お題提供→桜雨-Rain of Pink-様