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□パロディ!7
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(千鶴夢)

どっちが?





Z.悪魔





キヒヒヒヒ・・・

オレは笑った。

や、笑い方がキモいとかは言わないで!
悪魔っぽい笑い方って、こんな感じじゃないの?!

まぁとにかく、オレ様は悪魔なの。
で、人を不幸にするの!

今のターゲットは、この目の前を歩いている女。

・・・まずは。


「フゥー!!」


息を思いっきり、女の背中から吹きかけた。
それは大きな風になり、女を襲った。


「キャー!」

「わぁー!!」


道行く人が叫ぶなか、その女は。


「・・・」


無表情。
というか、怒りのマークが額に浮き出ている。


「ありゃ?」


もう一度、と風を起こす。


「キャー!」

「・・・」

「あ」


ペロンと、スカートが舞い上がった。


「おぉ!!」


オレは軽く喜びに声を上げた。
その瞬間。


ビュンっと、思いっきり女がかばんを振り回した。


「うがっ!!」


見事オレに命中。


って、いてぇーだろ!このヤロー!!


「あー・・・部活疲れたな・・・肩が痛い」

「!」


言いながら彼女はブンブンかばんを振り回す。


って、まじ危ないから!!


人間には悪魔様なんてのは、尊すぎて見えないのだから、仕方ないけどな・・・。


「・・・くっそぉー!」


二度目からは距離を取っているおかげで当たりはしないけど、一度まぐれだとしても、オレに当たったのだ。


このオレにぃぃい!!!!


「くっそー・・・見てろって、あぁーーー!!」


意気込んでいると、女は家に入っていった。


くっそー・・・家がこんなに近いとは。


オレは叫んだ。


「明日こそは、ぜったい!!不幸にして見せるからなーーーーーー!!!!」










窓から道を見下ろせば、頭に角、背中に小さな黒い羽根が生えた男が居る。
その男は、あろうことにも軽く中に浮いてるのだ。


「・・・」


あれは悪魔なのだろうか?

あたしは悪魔に憑かれたのか。


「・・・」


今日のあれは傑作だった。
風を起こされ、スカートがめくれた。
だから腹いせにかばんを思い切りぶつけてやった。


・・・人間には悪魔が見えないと思っているみたいだったが、そんなのはもう昔の話だ。


あたしはニヤリと笑った。











明日からいじめてやろうじゃないか。

明日もまた来るみたいだし。

・・・好きな子はいじめたいって言うでしょ?

なんかあの悪魔、ちょっとタイプなんだもん。



 
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