そうさくぶっく

□あの日の君に
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大学の夏休み
俺は実家に帰ってきた。

彼女に会うために。














「母さん、そろそろ」

「あぁ、気をつけてね。
あんまり暗くならないうちに帰っておいで」

「はいはい、それじゃあ行ってくる」

家を出てもう1年半。
片時も彼女の事を忘れることはなかった。

見渡す限りの田園風景。
その中に虚しく佇む白い病院。
この空気も。
俺も。
なにもかも変わらない。



変わってしまったのは彼女。

そう、彼女だけが変わってしまった。






彼女だけが・・・。







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