「姐さぁん!」
(来たっ!!)
「何処にいくの?」
「修行だ。体が鈍るからな。」
「僕もついていっていいよね!」
「ついてこれるのか?」
「当たり前でしょ?」
相変わらず、自信満々、生意気、だな。
まぁ、一人寂しく走るよりはましか。
「まぁ、口が減らないことを祈るんだな。」
私は走り出した。
この世界は平和だ。
休戦協定のお陰で、争いが起こることもまれだ。
(まぁ、一部を除くが。)
それに、こいつのような子供が傷付く事も少ない。
だが、私たちが戦士であることに変わりはなくて。
その為に、日々の鍛練は惜しまない!
私は一気に崖を登った。
「ふぅ。……ん?」
後ろを見ると、ナイトがいない。
崖から見下ろすと、ポカンと口を開けているナイトがいた。
「どうした?」
「こんな崖、登れないよ!」
僕は登れない崖は登らない主義なんだ!
下から叫ぶナイトに、私は思わずため息を漏らした。
「それに、僕まだ子供だし…。」
「あぁ、子供だ。…だからこそ、お前には無限の可能性がある。」
「え…。」
「ジェクトの言葉だ。」
それだけ残して私は歩みを進めた。
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