クシナは席を立ち、窓から里を見下ろした。
「ミナトは…家族ってどう思う?」
「どうしたの、急に。」
「いいから答えて?」
ミナトはうーんと考える。
「俺は…、そうだな。」
クシナの隣で同じ景色を見下ろす。
「この里が火影(オレ)にとって家族だ。大切で、何より優しくて、守るべき存在。でも、クシナが聞いてるのは本当の家族ってどう思うか…。」
「そう。」
「俺が一番欲しくて、手の届かないもの。」
二人の目には笑って歩く三人。
男と、女と、子供。
「欲しい?」
「……ん。プロポーズはまだしてないよ?だってもっといいムードでしたいからね。クシナが自慢出来るようなプロポーズするね!
って本人に言っちゃダメか。」
「じゃ、して、明日。」
「明日?!」
「そう、明日。」
急すぎとミナトはわたわた動き出す。
でもすぐ表情を変えた。
「何かあった?」
それは真剣な顔だった。
「私、焦ってるみたいなの。」
「くっクシナ?!」
ぼろぼろと大粒の涙が溢れる。
「約束してよ…。」
それはとても優しいキスだった。
離れた口からでた言葉で、ミナトは固まることになる。
「子供ができたの…。」
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