Private Lessonフォレスト版

□Lesson21
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「じゃあ、今度はつぼみが僕にその純愛とやらを教えてくれる?」

「うんっ!」

「なんかさー、愛だの恋だのって…女はすぐ簡単に口にするけどバカバカしくってさ。どうせ僕とセックスしたいだけだろ…って思ってたんだ。でも心の奥底でそういうのを切望していたのは僕の方なんだよね、きっと。青臭い話で恥ずかしいんだけど」

滅多に自分のことを話さないお兄ちゃんが、本心を打ち明けてくれたことが嬉しくて黙って聞き入っていると、

「つぼみ、愛してる。僕、本気だよ」

えっ?

あ・い・し・て・る?

うっきょ――――――――っ

不意に囁かれて何度も頭の中でこだましてしまうよ。

「私も、お兄ちゃんのこと、あっ…あい…してる」

お兄ちゃんの発した言葉をなぞるように自分でも口に出してみるとなんだか胸が燃えるように熱くなる。

――愛してる――

そっ、そんな悩殺的な愛の言葉を…さらっと真顔で言って退けたお兄ちゃんはといえば、すぐに視線を外して海の方を向いてしまった。

「?」

「あ――っ、…ベットの中でもないのにこういうこと言うのって何か照れくさいね…」

エッチしてる時は平気で甘い言葉を囁くくせにそこは照れるの?

なんかお兄ちゃんのツボって少しズレてるような気もするけど、

背を向けたお兄ちゃんの耳が真っ赤になっていることに気づいて、

お兄ちゃん、すっごく、

「かわいい…」

あっ、まずっ、思わず口に出しちゃった。

降り返った顔も赤くて拗ねたように口なんか尖らせちゃって、ますます可愛いってばっ!!

「こらっ」

「きゃははっ、だって本当に可愛いんだも――ん」

砂浜に降りて逃げる私を

――追いかけてきて、

「捕まえた――――」

――私を離さないで。

「んんっ…」

「やっぱりダメなの?」

こんな可愛いお兄ちゃんをもっと見たいから唇を手で遮ってちょっと意地悪しちゃう。

「…キスだけだよ?」

「うん、わかった」

――今のは拒んでいるじゃなくって、誘っているんだからね?

お兄ちゃんの視線を閉じ込めるように瞳を閉じると柔らかい感触が瞼に触れ、

そしてすぐに離れた。

瞼に…キス……?

不思議に思って薄目を開け様子を伺う。

わわっ、

お兄ちゃんの綺麗な顔が間近にあって慌ててまた瞳を閉じると今度は唇にその感触を感じた。

もう何度も重ねたことがあるのに、まるで初めてするみたいにドキドキする。

「つぼみは子供の頃にも僕を救ってくれたことがあるんだよ?憶えてない?」

「ん?私が?お兄ちゃんを?」

「いいよ、後でゆっくり話してあげる。つぼみの知りたいことも全部…」

波の音と何度も繰り返される甘い愛の囁きだけが砂浜に響く……。

私たちはもう一度、優しいキスをした。


――体が繋がるだけが一つになるんじゃないんだね。

  今、初めてお兄ちゃんと本当の意味で一つになった気がする――


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