Private Lessonフォレスト版

□Lesson21
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「僕ね、薔薇の下で犯されたんだ…」

「うっ、うそ…」

犯された…?

「一人じゃない、男も女も…大勢いた。初めて潜り込んだ時、獲物役の美少年と間違えられてね…押さえ込まれて後ろからペニスをねじ込まれ、知らない女が僕の前をムリヤリしごいて銜え込み、……口にも突っ込まれて…精液を飲まされた…」

中学生の少年にそんなことするなんて信じられない…

…薔薇の下で…、なんて恐ろしいところなの。

想像するだけでも身震いがする。

「僕が不用心だったんだよ。艶子さんと麗さんが助けに入らなければもっと酷いことになってたよ」

「…なっ、なんでそんな危険なとこに潜り込む必要があったの?伯母さんのことを?」

「ああ、母の死には疑問な点がいくつかあってね」

伯母さんは車の事故で亡くなったはずだけど……。

「母に情夫がいたことは麗さんに聞いたと思うけど、そいつ、母の死後すぐに姿を消しているんだ。それで何か関係しているはずの奴の行方を追っていたんだけど…」

そこまで言うと一旦大きなため息をつき、ポケットからクシャクシャに丸めた紙を取り出し広げて見せてくれた。

その紙には身元不明の遺体とある男のDNAが一致していることが記載してあった。

「おかしいんだよ、そいつに繋がる手がかりはすべて綺麗に消してあってさ。艶子さんの力を借りても5年もかかった」

そうか、あの時、艶子さんの渡した封筒にはこれが入っていたんだ。


香月 十夜(こうづき とうや)


これが伯母さんの情夫の名前。

「彩香家に古くから仕える使用人の息子だよ」

もう一人、伯母さんの愛した男の正体も知りたかったけれど、なんだか今は聞いてはいけない気がする。

これ以上、お兄ちゃんの傷を抉ってはいけない…、

いずれ、お兄ちゃんが話してくれる時まで触れない方がいい。

「それに今となっては僕自身があそこの刺激的な快楽の虜になっていたし、思いつく限りのプレイを楽しんでたよ」

プレイって…

楽しんだって…

そんな…

お兄ちゃんその頃からあんまり笑わなくなって…

雰囲気も変わった。

大好きなお母さんが亡くなったからだとばかり思っていたのに。

「人はね、最初は嫌悪するものでも一度味をしめたら、簡単に堕ちていってしまうものなんだ」

うさぎに堕ちた女の子みたいに…?

「欲を吐き出すだけの行為を空しいとは感じていたけど、どうにもこうにも抜け出せなくてね」

知らなかった…

お兄ちゃんが、こんなにも傷ついて苦しんでいたなんて…

疎遠になっていた5年の間にそんなことが起きていたなんて…

何にも知らなかった。

「つぼみは心も体も綺麗だ…薔薇の色にも染まらない純白。それに比べて僕はあまりにも汚れている…」

「お兄ちゃんは汚れてなんかいないっ…汚れてるのはお兄ちゃんを傷つけた人達だよ、ごめんねっ、今まで…何にも知らなくて…私…」

「何でつぼみが謝るの?つぼみを危険な目に遭わせたのは僕だよ?謝るのは僕の方、本当にごめん…怪我までさせてごめん…あんなとこに連れて行ってどうかしてる…つぼみを壊しちゃいそうで自分が恐い…」

お兄ちゃん、肩が震えてる。泣いてるの?
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