書庫(短編)
□ねじれ
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マーフィー君を必死に抱きしめ、この鬼弟子の視界から消そうと奮闘しながら私は半ば喚いた。
「何時から君はそんなに捻くれちゃった訳!?」
曽良君は私を一瞥すると嘆息して言った。
「子供の時からです」
「そんな子供いないよ!!」
曽良君が言うと本当なのかそうでないのか分からないから怖い。
「芭蕉さんのような大人のほうがもっといませんよ」
「そんな事無いよ!!」
「何を根拠に言うんですか?」
それを言われると、もう二の句が次げなくなる。
最近、思う。今回の旅は妙に長引きそうだな〜と。
日はすでに傾き始めている。