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□閻魔大王の子供の頃…?
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冥府の王、閻魔大王。
彼自身には、子供のときの記憶が無い。
しかし、彼にはきちんと冥府で育ち、子供であった。
その記憶が、何故だか抜け落ちている。
長い時を生きると、どんな者でも小さい時の記憶など、綺麗さっぱり忘れてしまうのだろうか。
とにかく、本人すら知らない、彼が幼き時の記録を読もうではないか。
記憶が無いとは言え、彼の性格は一切変わっていない様だ。
勉強はほぼ出来なかった。閻魔の秘術もあまり上手く扱えなかった。唯一彼の得意とした物は、防御術。強度のある結界を張る事に長けていた。
自分を守るために意識が傾いたのだろう。その表れだと、私は解釈している。
性格も、突拍子も無く、ひどく腰抜けで、思考のずれが激しく甘えたがりで子供のようなのは、その記憶の無い反動なのだろうか。
少なくとも、この書物にはそう幼き閻魔大王の性格が記されている。
彼は、己を知らない方がいいのだろう。
最後の一文の警告に私は従う事とする。