書庫(短編)

□血液型は何型ですか?
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 今日、学校から安倍家帰ってきた彰子の手には、「占いBOOK」という物があった。
 図書室から借りて来たらしい。中には心理テストなど簡単な占いが書かれている。
「彰子嬢?何それ?」
 興味を持ったのか太陰が覗き込む。
「クラスの子が面白いって言うから、借りて来たの」
 今、彰子が読んでいるのは血液型で分かる性格、行動パターンなどだ。
「占いならば昌浩に頼めば事足りるだろう」
 どこか大人びて感じる口調は玄武のものだ。玄武も太陰と同様に彰子の読んでいる本に興味を持ったのだろう。
 彰子は頭を振った。
「いいの、ただ読んでるだけだから」
そう言い差して、彰子はある事に気付いた。
「そう言えば、太陰たちの血液型って何?」
 二人は困惑した。自分たちの血液型などここ何千年も意識した事も無かった。というか、「血液型」という言葉自体数えるほどしか聞いた事が無かった。
「ただいま〜。彰子?何読んでるの?」
 助け舟と言わんばかりに昌浩がやって来た。
 子供の姿をした神将二人は、そっと安堵の息をついた。
「占いの本よ。ねぇ、昌浩。太陰たちの血液型って知ってる?」
 この問いに昌浩は神将と同じ様に困惑した。
 そんなの、考えた事も無かった。
 だが、真摯に訊いてくる彰子の手前適当な返事は出来ない。
 神将たちに視線を向ければ、二人とも困惑している風情だ。血液型とは何だと視線で訴えている。
「神将に、血液型は無いと思う…、俺は。」
 彰子はそれを受けて不思議そうに瞬きした。

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