書庫(短編)

□ねじれ
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 木陰で弟子の曽良君を待ちながら、親友マーフィー君とお喋りする。
「昨日さ…私の傑作を…」
 この様子を曽良君が見たら、
『くだらない』
と一蹴するか
『幼稚ですね』
と鼻で笑うかのどちらかの反応だろう。絶対そうに違いない。それくらい分かるぞ!!
 最近、少しだけ曽良君の言いそうな事が解ってきた気がする。たぶん……。
 曽良君の言うであろう言葉が鮮明に聞こえてくる。
「くだらな過ぎますね、あと余命幾許も無いじじぃが人形と喋ってるなんて」
 妙に鮮明に聞こえると思って頭上を見上げれば、怪訝な表情の曽良君が私を見下ろしていた。
「曽良君!?」
「その汚わらしい人形切り刻んでも良いですか?」
「ヒィィィイ!!頼むからやらんといてぇぇ!!」
つくづく思うけど、この弟子はほんとに恐ろしい事を平気で言う。
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