青祓 ver.

□第六話 痛い
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『引かんとってくださいよ…?』


「いいから早くしろ」


ネイガウス先生が急かす中、一旦深呼吸してから、ゆっくりと地面に魔法円を書いていく。


繊細に、間違えてしまわないように、はっきりと。


『"万物を護りし神よ…、長久の眠りより覚め、千年の呪いを解き放て!!"』


次の瞬間、教室は異様な雰囲気で包まれてしまった。


それもそうや。


祓魔訓練生である俺が、神として伝説の残る“霊鳥”を召喚してしもうたんやから。


そして、坊や廉造、猫さんには、忘れられない霊鳥のはず。


「修造…っ…なんやッ…これ…ッ…冗談…やろ…ッ?」


「そっ…そうや!なんか位の高い悪魔に、霊鳥のカッコさせとんやろ?修造も冗談きついわ…」


「でもコイツ…!」


『正真正銘、あのときの霊鳥や。そして今は俺の仲間。なんか文句あるんか?』


やばい。
早速性格が…ッ


『…無駄話は必要ない。堪忍やで、廉造…!』


手には、刃物のように鋭い霊鳥の羽を握ったまま、なんども廉造を切りつけた。


死なないように、ただひたすらに痛みを与えるように。


-第六話 完-
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