青祓 ver.
□第三話 テスト返し
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しばらくして、騒ぎは収まってくれた。そしてまた、テスト返しが再開された。
「志摩修造くん」
『はーい』
ゆっくりと立ち上がって、先生からテストを受け取った。
「君にしては珍しい…何かあったんですか?」
『いやぁ…ちょっと寝不足ですよ。心配されるような大層なことやありまへん。』
「そうですか…?」
そんな先生との会話を聞いていた燐が、顔を乗り出していた。
「なぁ修造、もしかしてテスト…悪かったのか?」
『なんやその目の輝きは…。99点やったんよ。1箇所、書いてへんトコがあったんや』
「うぅっ、ちくしょー…」
『まぁまぁ…そんな泣かなくてもえぇやんか?また頑張れば、坊くらい偉くなれるかもよ?』
「アイツはヤだ!」
一生懸命坊を嫌がる燐を、ちょっとばかし可愛いなんて思った俺は、多分正常なはずや。多分。
『なんやったら燐…俺が家庭教師になったろか?』
燐の耳元でそう囁くと、燐はみるみるうちに真っ赤になって、机に倒れてしまった。
『ありゃ?』
(天然であれをやるから、坊や俺が勘違いするんやで…修造)
-第三話 完-