青祓 ver.

□第八話 重い、想い、思い
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「…終わったなら、志摩廉造を医務室へ連れていってやれ。これで、授業を終了する。」


ネイガウス先生の言葉の後、俺は医務室に運ばれる廉造を、見送るしか出来なかった。


呼び出す度、行動がハードになって、性格の変化も酷くなっているような気がする。


そして、儀式の性質すら、少しずつ変わってきている。


「おい修造、あらどういう事や。なんでお前が、あの霊鳥を使い魔にしとるッ!」


「坊…!」


『えぇんよ、猫さん。話します。あの日の晩、一体あの後なにがあったんか。』



「修造さん…」


『あの日俺は、霊鳥から逃げながら、なるべく廉造達から遠ざける事を考えてた。でも、アイツの囁きにノってしもた…、腹の奥の奥まで、アイツは知っとったんや。』


「お前…じゃあ!?」


『その通りなんです。俺の精神の中には、アイツが憑依しとるんですわ。そして、使い魔として召喚したとき、力が強うなって、性格が変わるんです。』


「そうやったん…、ですか」


『笑うやろ?手騎士目指してる奴の使い魔召喚が、仲間を傷付けるんやで?』


「…んなことない」


坊は俯いていて、肩は小さく小刻みに震えていた。


そして、一瞬手が伸ばされたかと思えば、そのまま坊の身体に飛び込む形になってしまった。
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