青祓 ver.
□第四話 気持ちの違い
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「次って、体育の実技やんなぁ?着替えんとあかんな」
『そうやな…ありがとうな廉造!ホンマ廉造はかわえぇなぁ』
「なんでそうなんねん」
坊の冷静なツッコミはさておき、俺は着替えた後、坊とは別行動を取ることにした。
燐に会うために。
「り…燐…私と…」
「えっ!?」
噴水広場から聞こえてきたのは、同じクラスの杜山さんと、燐の声やった。
『燐?』
完全に聞こえていないようだった。顔を赤くして、固まっている燐をみた瞬間、胸が痛くなって、耐えられなかった。
「修造…?」
「えっ…修造くんが居たの?」
「多分…」
俺は、ひたすら走るしか出来なかった。
燐はただの友達の筈なのに、どうしてもあの表情が許せなかった。
『なにしとんのや…俺…』
「修造…?」
ふと、後ろから慣れ親しんだ声がした。
『廉造…』
「なんやえらい勢いで走っていったと思ったら、こんなとこに居ったんか?」
『今来たトコや』
「そか。修造、もしかして修造は、奥村くんが好きなんか?」
『…ちゃう。少なくとも今は、そんな気持ちや無いんや。…ただ、不安やねん。友達が、離れていきそうで。』