青祓 ver.
□第三話 テスト返し
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しばらく、トラブルメーカーらしいあの子と、坊の間には、交流はなかった。
だけど、俺はちょっとだけ違って、あの子と交流があった。
俺が燐と友達になったのは、本当に簡単な理由だった。
「なぁお前、あのピンク頭と顔そっくりだよな…」
『双子やからなぁ…あれ、知らんかったんか?』
「まじか!じゃあ、俺と雪男と一緒だな!」
燐はニコニコしながら、俺の肩に手を置いてきた。
そう言えば、塾に初めて来た日、奥村先生と喧嘩をしてたような気がする。
「あ、俺の名前は奥村燐!よろしくな!…あれ、名前なんだ?」
『奥村くんて、ホンマ先生と似てへんなぁ…、俺ん名前は志摩修造や。よろしゅうなー』
そう言うと、燐は俺の方に手を差し出してきた。そして、俺達はぎゅっと握手をした。
『じゃあ燐、そろそろ授業やさかい、戻ろか?』
「だな!」
燐の笑顔を見てると、なんとなく心が洗われるようやった。