小春日和

□これが日常
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『おはよ、リョーマくん』

「おはよう弥生」


リョーマくんはそう言って、私の隣の席に鞄をひっかけ、私の方へ向いて椅子に座った。



『朝練お疲れ様です』

「うん、疲れた」



そう言うリョーマくんに、私は鞄の中からポッキーを出してあげた。



『今日はポッキーだよ』

「あ、新発売のやつ」

『うん。つぶつぶイチゴ味のデカポッキーだよ』




そう言って取り出したポッキーは、確かにイチゴチョコの詰まった大きなポッキーだった。



「……デカいね」

『デカポッキーだからね』

「これ持ってくるの面倒じゃなかったの?」

『どうせ持ってきたらリョーマくんが食べるしね』

「それはそうだけど」



否定しないリョーマくんにくすりと笑って、私はデカポッキーを手渡した。



『はい』

「どうも」

『いえいえ』



そう言って、私もデカポッキーを取り出して食べ始めた。



うん、美味しい。




「次の土曜に練習試合あるんだよね。弥生、来る?」

『練習試合?どこと?』

「氷帝」

『ああ……。リョーマくんの言ってた指パッチンの人がいるとこ?』

「うん」



なんでも、指パッチンをして「俺に酔え」というなんとも素晴らしいセリフを言うらしい。


世界は広いと確認させられる話だった。



「どうする、来る?」

『うーん、指パッチン気になるから、行きたいなぁ』

「それじゃあ、」

「ダメよ」



そう言ってリョーマくんを冷たく一瞥するは、我らがクラス委員長だった。



『委員長、おはよー』

「おはよう、弥生。今日も可愛いわね」

『ありがとー。委員長も今日も美人ー』

「あら、嬉しいわ。ありがとう」


そう言って微笑む委員長は、本当に美人でした。



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