ひまつぶし
□忘れられない人
1ページ/2ページ
「マネージャーが入ったんだよね」
『へ、』
唐突なリョーマの言葉に、秋穂は一瞬きょとんとした。
今は、昼食の時間である。
すっかり仲良くなったリョーマになんとなくお昼を誘われ、秋穂もなんとなくそれを了承したのだ。
現在、裏庭でほのぼの昼食中である。
『マネージャーって、今までとってなかったて言ってなかったっけ』
「言ったけど……なんか、マネージャーにしてほしいって言う転校生がいたらしいよ」
『ふーん、………っああ!!』
突然叫んだ秋穂に、リョーマはビクッとして目を丸くした。
そんなリョーマに構いもせずに、秋穂の頭の中では色々な考えが浮かんでいく。
―――3人目、有野 流美
特典「中性的な美人に」、「生活の保障」
青学のキャラとの恋物語―――
『………3人目だ………、!』
「3人目って何?アンタ、あの先輩のこと知ってんの?」
リョーマの言葉に我に返った秋穂は、慌てて『なんでもない』と手を横に振った。
リョーマは訝しげにこちらを見ていたが、幸い深く言及する気はないらしく、「ふーん」と言って再びお弁当を食べ始めた。
『……、(でも、私が転生したのは12年前だよね?彼女たちも、同じ時期にこっちに来たんじゃ……、)』
そこまで考えて、ふと思い出したことがあった。
「上手い具合いじってやろ」
『あの野郎……っ』
「………、」
思わず呟く秋穂を、リョーマは微妙な顔でちらりと見て、すぐさま目をそらした。
そのことに気付かない秋穂は、箸を噛みながら悔しがっていたと言う……。
、