ひまつぶし
□独り善がりな少女たち
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ここに、神様がいて、神様は実に退屈だった。
暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇だった神様は、とあることを思いついた。
―――少女たちの願いを叶えてみよう。
ただし、
条件付きで。
神様は、早速行動に移った。
まず、別の世界での別の人生を願った3人それぞれの少女のもとへ行き、いかにも優しそうな神様を演じきって、まんまと少女たちを異世界へと放り込んだ。
「おめでとう」
「キミはキミの望む世界へ」
「トリップする権限が与えられたんだよ」
言葉巧みに少女たちを喜ばせ、内心で嘲笑い、神様は優しく微笑んだ。
「ただしね。そのために、条件があるんだ」
そう言う神様に、少女たちは眉をひそめた。
そんな少女たちを見て、神様はくすくすと笑った。
「大丈夫、そんなにビクビクすることはない」
「なぁに、簡単なことさ」
「―――キミがトリップすることによって、1人だけ別の人間が「生贄」として別世界へ送り込まれることになるけれど、いいかい?」
少女たちは、迷うことなく、
その条件を呑み込んだ―――。
独り善がりな少女たち