となりの席の
□好意の意味
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「およ」
朝、学校に来て、靴箱を開けるという
いつもとなんら変わらない動作をしようとしたら
靴箱の中になんか入ってた。
「…果たし状?」
「いやいや、普通はラブレターとか考えるよね」
「おはよう新羅くん。背後からのあいさつは心臓に悪いよ。主に私の」
「封筒も可愛らしいのだし、これは確定なんじゃないかな」
「新羅くんはいつからスルースキルの持ち主になったのさ
っていうかまだ封筒開けもしてないのに決めつけるのいくないよ
もしかしたら人物を間違えた可能性だってあ…」
【春日千歳様】
封筒裏返したら書いてあった。
「間違えてはなさそうだね」
「……」
私は手紙の真意を確かめるために、ここで手紙を開けた。
【好きです】
「脈略が迷子」
「ラブレターじゃないか」
【ずっと千歳さんの事を見ていました。】
「どこでですか」
「ツッコミ辛辣」
【今日の昼休み、屋上で待ってます。良い返事を聞かせてください】
「返事の仕方を固定されてるよ!良い返事じゃない場合はどうすればいいの!!あとお昼休みはご飯食べたいです!!」
「よし、落ち着こう」
新羅くんに宥められたけどなんか腑に落ちないよ。
「………罠かな」
「何でそう思ったの」
「名前とクラスが書いてない。ホラ、よくドラマとかであるじゃない…呼び出して…おめぇの席ねぇから!とか!」
「知識が混ざってる部分があるよ」
「…はぁ。」
まあ どちらにせよこんな所で悩んでいてもラチなんか開かない
とりあえず手紙を仕舞って教室に向かった。
手紙の返事なんか、NO一択しかない。
なんでって。
知らない相手にOKなんか出せない。知り合いの話しとかで「付き合ってお互いを知ろう」なんて言葉を言われたとか聞いたりするけど
それは相手が最低だって時にいろんなトラブルになるから絶対やめとけって近所のばっちゃが言ってた(ような気がする)
ラブレターなんて初めて貰ったけど、しっかりしないといけないとこはしっかりしないといけない。
「静雄くん、来てるかなぁ…」
まあ、私は手紙が本当にラブレターかどうかとか、誰からとか、何故か結構どうでもよく思ってた。
今日も静雄くんは遅刻をした。
しかもなんだかいつもより遅くて
いつもよりちょっと…
でも静雄くんを見るとホッとする半面、そわそわするのはなんでなんだろう。
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